自身のニーズから編み出した、オンライン・ウィッグカットサービスの開発
「髪型は着せ替えられる」をコンセプトに、美容師がカットしたウィッグをオンラインで購入できるサービスを展開する。
「ハゲップル」としてSNSで30万フォロワーを持つライバー(ライブ配信者)のハゲカノ氏が2021年秋に設立、2022年夏頃サービスローンチ予定。
https://www.tiktok.com/@hageple
https://www.instagram.com/hagekano/
活動概要
個人事業主としての活動を発展させ法人化。「誰に」「どんな価値」を提供するのかを整理し、まずはビジネスモデルを確立。商品開発、プロトタイプ制作のための調達経路や人材確保、資金調達の準備なども実施した。
出場したピッチコンテストでは3位を獲得。ECサイトや各種クリエイティブの制作も進行しており、2022年夏頃ローンチ予定。
背景
学生時代に円形脱毛症に罹患した創業者は、市販の高額な医療用ウィッグから安価なファッションウィッグまで試したものの、「トレンドや好みに合う自然なウィッグ」に出会えない悩みを抱えていた。そこで友人の美容師にウィッグをカットしてもらったところ、見違えるほどヘアスタイルを楽しめるように。
その経験をSNSやライブ配信で伝えたところ、フォロワー数は一気に増加。需要を感じた一方、ウィッグのカットに対応できる美容室は少なく、対応できても依頼する心理的ハードルは高い。
オンラインのウィッグカットサービスを立ち上げるべく、ビジネス面のコンサルティングを求め、SETA COLORに応募した。
市場調査からコンセプトづくりまで。ゼロから取り組んだビジネスモデルの確立
サービス内容の詳細や、ブランディング、ターゲティングの方針が定まっていなかったため、市場分析やユーザー、美容師へのヒアリングを通して、リサーチ結果と事業者の想いを掛け合わせた実現可能なサービスモデルを確立した。
決まったコンセプトは「髪型は着せ替えできる」、ターゲットは「髪に悩みをもつ20〜30代女性・ファッションをより楽しみたい女性」。
リリースの第一弾は、注文が入ってから美容師がウィッグ1つずつをカットして届ける、セミオーダー型のサービスを開発・展開することが決定した。
ECサイト構築やクリエイティブ制作を通じた、プロトタイプ開発
制作フェーズでは、グローバルに美容師としても活動するエンジニアをチームに招き、NEJIKOというブランドの世界観を表現したECサイトを構築。アパレルでの経験をもつPRプランナーもアサインし、モデルやカメラマンなど人材のコーディネーションを実施、クリエイティブ面の制作を実施した。
セミオーダーサービスで利用するウィッグメーカーも選定し、現在理想のカラーや質感を調整しながら製品化を進めている。
資金調達に向けて、初めてのピッチイベント登壇
投資家が審査員を務めるビジネスピッチイベントに参加し、僅差で3位を獲得。
サービス開発の説得力、希少性、そして当サービスによって「結婚・出産などを理由に現場から離れている“休眠美容師”が自宅でカットの仕事を受けられる」という可能性が評価された。
世田谷から世界へ! 日本のカット技術でグローバル展開も視野に
サービスローンチ後は、随時サービスの改善を図りながら、カットを担当できる美容師を増員し、提供するヘアスタイルの拡大を予定。
将来的に目指しているのは、手持ちのウィッグを美容師がカットするフルオーダー型のサービス。また、日本の美容師のカット技術は世界でも評価が高く、いずれは日本国外からも利用できるサービス展開を目指している。
経営・マーケティングコンサルタント。コンサルティングファームにて企業の業務改善・海外展開、大手百貨店にてブランドマーケティング等の経験を経て独立。パラレルワーカーとして、マーケティングを中心に多様な職種に携わる。